深基礎とは
深基礎は一般的な基礎より深く打つ基礎のこと。
擁壁を作る必要がある場合や、地下室を作る場合に深基礎が用いられることが多いです。
通常は、地盤面から埋まっている部分(根入れ深さ)は250mm~300mm(25cm~30cm)ほどですが、これをさらに深く打つことで基礎の強さを出すことが出来ます。
とはいえ、基礎部分が増えるということはコストが増えるということになりますし、なんでもかんでも増やせばいい、というものでもないので、通常は深基礎にする必要はありません。
深基礎は、地面に高低差があり、土地のつちが流れ出さないように土留めをする場合に、擁壁(ようへき)を兼ねて一部だけ深基礎にすることがありますが、高低差がなければ、意味もなく深基礎での工事はしません。
深基礎にする、ということはそれだけ地面を深く堀り、コンクリートも多く使う、ということなので、工数も増えますし、工事日程も長くなり、材料費も高くなります。
さらに、増やした分の施工チェックも必要なります。深基礎が無い基礎の場合よりも余計な心配が増えるということです。
そのため、意味なく深基礎にしたりはしませんし、そもそも地盤に何の問題もなければ深基礎にする必要もありません。深基礎にしたくない場合は擁壁を設置する工事をしますが、深基礎工事にくらべ、費用が倍以上になることが多いです。
深基礎のメリット
- 擁壁を兼ねる事で土留めの長さが短くなり工事費が軽減される
- 深基礎の深さにもよりますが、床下利用(地下室・床下物置)が可能
深基礎のデメリット
- 高基礎に比べ深基礎は工事費が高くなる
- 地下水脈によっては床下の湿度が高くなる
例えば、車庫を併設し、その車庫の高さは道路と同じ高さにして、家の玄関は階段で登っていくというような場合、家の床は道路面よりもかなり高い位置にくることになります。
このような場合は、車庫と同じ高さ、つまり車の高さ分まで基礎を打つ必要があります。
そうしなければ、地盤面の土が崩れてしまうためです。深基礎にしない場合は、擁壁にて土を抑える必要があります。
高基礎とは
高基礎はその名の通り、基礎を高くうつことです。
深基礎と混乱しがちですが、深基礎は基礎部分の多くが見えません。つまり、地面に埋まっている部分が多くなります。
高基礎は基礎そのものが見えます。
深基礎も高基礎も通常の基礎よりも基礎の高さ(長さ)がありますので、地面に埋まっているかいないか、という区別をすることも出来ます。
会社によって、深基礎と高基礎の呼び方が違っていたりするので確認が必要です。
高基礎のメリット
- 基礎を高くする場合、家の床と地盤面に空間が確保される。
- 通気性が良くなったり、湿気対策には有効となる。
- 家の床下には水道管や下水管が配置されているため、空間が広くとってあれば検査がしやすく、修理もしやすい。
高基礎のデメリット
- 基礎面積を増やすことになるので、施工費はあがる。
- 基礎の高さをあげるので、地震に対しては通常のより弱くなる(カバーする方法はある)
地盤に合わせるのが基礎工事
基礎自体は、地盤面に合わせて施工をしているだけなので、例えば深基礎がいい、とか高基礎がいい、というのは基本的には施主が判断することではないと思います(費用との兼ね合いもありますが)
ただし、例えば地下室を作る、とか少し高い位置に家を建てたい、という場合には基礎を調整することで出来たりしますので、その場合は相談すると良いでしょう。