パッシブはそもそも英語のPASSIVEを指し、意味は「受け身」「受動的」「無抵抗」というような意味。
住宅におけるパッシブデザインとは、自然に逆らわず、光や風をうまく取り入れて生活出来る住宅を指す。
つまり、自然エネルギーをうまく使った家というような意味であり、省エネ住宅という意味合いでも使われる。
パッシブの反対語はアクティブ、となる。
環境を積極的に変化させる、というような意味合いで、強いて言えば、夏にはエアコンをフル活用して、寒い冬にはストーブや暖房器具を大いに利用して生活するようなスタイル。
ただし、アクティブデザインの家などは誰も求めていないし、時代に逆行する。
パッシブデザインの目指すところは、夏は涼しく、冬は暖かい、という家。
例えば断熱効果を高めることで、住宅内の温度変化を少なくしたり、樹木を植えることで夏の日差しを遮るデザインにしたり、ひさしをうまく活用することで直射日光を避ける、という具合。
また、風通しの良い設計にすることも重要。
断熱効果を高めることで、冬場は暖かい家となるので、暖房器具によって「アクティブ」に環境を変化さえなくとも良い家となる。
パッシブデザインで住宅を作ることで、結果としては省エネにつながる。
総じて、断熱効果の高い家のことを指し、その上で光や風をうまく取り入れるデザインである。
もともとは、設計思想の話であり、現代ほど断熱効果が高くない時代から「夏は涼しく」「冬は暖かく」という考えはある。
これは古来の日本の住宅に取り入れられている、ひさし、落葉樹、縁側、などに見て取ることが出来る。
これまでの住宅においては、住宅設備機器(エアコンなどの家電等)を活用することで環境に対応してきたが、省エネが叫ばれるいま、改めてパッシブデザインが見直されている。
パッシブデザインを考えた設計には専門的な設計知識が必要であり、光量計算、風向設計なども考慮しなければならない。