野丁場(のちょうば)とは、鉄筋コンクリート造の建物のことで、いわゆるビルや大規模な建物工事全般を指します。
例えば、住宅業界であっても野丁場出身、というと、鉄筋コンクリート造の建物に関わっていた人、という意味になります。
野丁場の反対語として、町場(まちば)という言葉があり、これは木造戸建ての現場、と考えて問題ありません。
町丁場(まちちょうば)という言い方をすることもありますが、どちらでも意味合いは同じです。
例えば、自分の家を建てる時に、工務店やハウスメーカーに行くと思います。
その際に、もともと鉄筋コンクリート造の大規模現場をやっていた人であれば、野丁場出身、ということになります。
野丁場出身だと一戸建てが苦手、かというとそういうことでもありませんが、野丁場の場合は、戸建てよりも分業制が進んでおり、縦社会です。
明確に役割分担がされているかわりに、スケジュールもきっちり決まっています。
そのため、野丁場出身の現場監督であれば、工程管理を得意とすることが多いイメージです。
ただし、野丁場で1年、戸建てで5年、という経歴の場合はこれにはあてはまりませんので、一概にこう、とは言えません。
職種によっても、野丁場出身が良いか、戸建て出身が良いか、はそれぞれ特色があります。
わかりやすい例で言えば、左官職人です。
左官とは、外壁の漆喰塗りや、仕上げのモルタル工事をする職人ですが、野丁場での経験がある場合は、戸建てよりもスケジュール、技術ともに正確さを求められますので、野丁場で何年かやってた、となればある程度の技術はあるのかな、と考えることができます。
とはいえ、野丁場出身だから安心、ということでもないのでこのあたりの見極めは本当に難しいところです。
建築業界で働かない限り、野丁場、という言葉を聞くことは無いと思いますが、話のネタくらいにはなるかもしれません。