建売は実際に目で見て、気に入れば買えば良い。
注文住宅は自分の理想の家を図面に落とし込み、それを建てる。
注文住宅の場合、完成はイメージでしか無い。
建築に関わっていない人が正確に完成をイメージするのはほぼ不可能。
わかりやすく言えば、プログラムの設計書だけ見て、実際にどんなアプリが出来るのか想像するようなもの。
一般の人がそれをするのがいかに難しいかわかると思う。
現在は、3D CADなどもあるので、イメージとのギャップをなるべく無くすことは出来るが、それでも施主のイメージというのは無限に広がる。
玄関を開けた瞬間に、感動的な室内が広がっているか、というと、実際には思ったより狭い、となる。
リビングルームは光が差し込み、風通しもよく、景色も良い、とイメージしても、実際には光はいっとき、風通しはたまに、景色はそこそこ、となる。
3DCADで示したとしても、そのギャップを埋めるのは難しい。
施主がイメージしている注文住宅はアイドルばりに理想が高い。
建てる側としては、何十棟、何百棟と建てているので、設計図から完成図を予想するのは難しくはない。
ただ、施主のイメージがどこまで広がってしまっているのか、それを理解するのは難しい。施主の頭の中は覗けない。
だから、施主のあなたが出来ることは、とにかくいろいろな家を見ること。
少なくとも住宅展示場には何度も行く必要がある。その展示場の図面を見て、どこがどのようになるのか理解する必要がある。
友人で注文住宅を建てている人がいるなら、その設計図を見せてもらい、その家を訪問する。
そうすることで、自分のイメージとギャップが埋まっていく。
我々のような施工業者と、一般的な施主の大きな違いは、単純にどれだけの設計図に触れているか、さらにその設計図が現実世界でどうなるか、をイメージできるかどうか、だけ。
だから、少なくとも20棟は見てほしい。住宅展示場を二箇所も回れば、十分に見ることが出来ると思う。
数千万の借金を背負うプロジェクトを無事に成功させるための努力としては容易いことだと思う。
3DCADをさらに進化させたバーチャルリアリティを売りにしている設計事務所や工務店もある。
VR(バーチャルリアリティ)の場合は、実際に設計図通りの家の中を見ることが出来るので、イメージとのギャップは通常の設計図とのギャップより少なくなる。
なかなか高価なシステムなので、もし選択肢としてVR導入をしているというのを選べるなら、一度訪問してみると良いと思う。
かなりわかりやすく、設計図とイメージとのギャップがうまると思う。